先日歯医者に行くのを忘れてしまった！どうしたらいいですか？

長期間むし歯を放置してしまった！ちゃんと診てくれるかな？

こんにちは。安城市の神谷歯科医院院長の神谷繁彦です。

先日、当院のキャンセルについて調べてみました。

その結果、①非常に軽い症状のむし歯を治す予約の患者さんが来られない。

②仮歯を作ってその次に本物のかぶせ物を作ろうとするときに来院していない。

③歯の根の治療を終わった後に来院しない。

というのが目立ちました。

まず、非常に軽い症状のむし歯についてです。

初期のむし歯は歯の表面が白く吹いたようになることが多いのです。

これは歯の表面のエナメル質が結晶でできているのですが、それがむし歯菌の出す酸によってその結晶が崩れた状態なのです。

これについては、実は唾液の中に崩れたエナメル質の結晶を治す力があるのです。

お口の環境を整えてあげればエナメル質の結晶は元に戻ってきます。

その段階を通り越して歯が黒くなった、または着色した、時に歯が欠けたけれど症状がない場合、特に症状がないから病気でないと思われる方も多いかもしれません。

実はむし歯はアリの巣状にできると言われています。

なぜなら、エナメル質はカルシウム成分が多く、割合に硬くてむし歯菌の酸に弱いというものの、そう簡単にアッというほどむし歯になってしまうわけではありません。

むしる象牙質のほうがむし歯菌の酸に弱いのです。

そのため、むし歯が象牙質に達するとその中で早くむし歯が広がって大きくなります。

表面のエナメル質はむし歯菌の酸にやられる速度が遅いので。中の象牙質が早くやられていても表面には全く出ないこともあります。

それでも症状はほとんど出ないことも多く、歯がしみる状態になったらもう歯の神経を抜かないといけないことも出てきます。

そのために我々歯科医はむし歯に関しては早期発見、早期治療に勤めているのです。

次に仮歯を作った後です。

仮歯はその歯のかぶせ物を作った後に入れるものです。

目的はとりあえず噛み合わせの高さを見る、歯ぐきの状態（歯周病）を見る、整える、歯の周りを削った後の歯肉の状態を安定させるなどがあります。

材料は液粉を混ぜるとすぐに固まるものです。

出来上がりは柔らか目のプラスチックになります。自然の歯の色にかなり近似しています。

それだけにこの段階で治ったと思い込んで、来院を止めてしまう人があります。

しかし、この状態で長期に放置していると、仮歯がすり減ってしまってかみ合わせが変わったり、歯ぐきの炎症が強くなったりすることがあります。

場合によっては仮歯が割れてしまって、目的を達することができず、再製作をせざるを得ない可能性が大きくなります。

また長期間放置していると、詰め物、かぶせ物の合いが悪くなり、場合によっては筑厘差押しせざるを得ない場合もあります。

この時の詰め物、かぶせ物の製作費用は患者さんが払わなければいけません。損が立ちます。

歯の根の治療については、痛みがなくなると終わりと思っておられる方がいらっしゃいます。

歯の根の治療（根管治療）は原則として一回では終了しません。

基本的には3回ぐらいかかります。症状がお様なければこれより回数が多くなります。

この治療の途中で長期間放置しますと、歯の根に聞かせている消毒薬が切れてしまい、歯の根の病気が再発してしまいます。

場合によっては治療以前よりひどくなってしまいます。

いかがでしょうか。

このように約束通りに来院しないことのデメリットは非常に大きいものがあります。

治せるはずの病気がうまく治りません。

ぜひとも軽い気持ちで予約のキャンセルをしないようお願いいたします。

やむを得ずキャンセルせざるを得ない場合は代わりの来院日を想定して連絡を入れていただくと助かります。

よろしくお願い致します。