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バイオフィルムとは?抵抗力の強い細菌の膜?

2022.05.14

最近テレビでバイオフィルムって言っているけれで一体何?

バイオフィルムって強力なの?

 

こんにちは。安城市に神谷歯科医院院長の神谷繁彦です。

最近、テレビCMでバイオフィルムという言葉が出だしてきています。じゃあそのバイオフィルムっていったい何?ということになると思います。

バイオフィルム(biofilm)をそのまま和訳すると生物、特に微生物が作る膜ということになります。つまり微生物の集合体ですのことです。数種の細菌がコミュニティーを作って増殖した膜状のもので、細菌が外的要因(薬剤、体内の免疫反応、口腔内の環境変化など)から身を守るために作ります。

身近なものでは台所や風呂場の排水口や川底の石にヌルヌルとした膜ができることもありますが、あれもバイオフィルムです。

口の中では主に歯の表面にできるもので、細菌のかたまりである歯垢(プラーク)もバイオフィルムのひとつです。

 

バイオフィルムには以下の特徴があります。

1,口の中では細菌が塊を形成しバリアとなるため、薬剤や体内の免疫系が作用しにくい

2,対象物にこびりついているので除去が困難(ブラッシングが必要)

3,内部で作られた病原因子や毒素が局所に滞留して疾患(歯周病)を誘発する

歯周病の直接の原因は歯垢(プラーク)でこれもバイオフィルムの一種です。歯と歯肉の境目には歯肉溝(しにくこう)とよばれる浅い溝があり、そこにたまった歯垢中の細菌が歯周病の原因になります。

 

よってバイオフィルムを放置して歯周病が進行すると下記にような全身にも影響が出ます。

1、狭心症・心筋梗塞

動脈硬化は、血液を送る血管が狭くなったり、心筋に血液供給がなくなり死に至ることもあります。

今までは不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因とされていましたが、別の因子として歯周病原因菌などの細菌感染がクローズアップされてきました。

歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来血液の通り道は細くなります。

血管プラークが剥がれて血の塊が出来ると、血管の細いところでプラークが詰まります。

2、脳梗塞

これは先ほど説明した血管のつまりが脳で起こるものです。

歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。

3、糖尿病

歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。

さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきました。(以下続く)