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病巣感染―思わぬところに病気がうつっている!

2022.09.19

からだのあちこちに炎症ができることがあるの?

それって歯が原因?

 

こんにちは。安城市の神谷歯科医院院長の神谷繁彦です。

今回は「病巣疾患」について説明します。

「病巣感染」という言葉は一般の方にはあまり馴染みがないかも知れません。

では一体「病巣感染」って何?ということになります。

 

私たち人間は生きていくためには食物と空気を口と鼻から取り入れます。

しかし、その代償として体の入り口である口腔、鼻腔、咽頭は常に細菌、ウイルス、粉塵、異物などにさらされることになります

こうした危険から私たちの体を守るために、口腔、鼻腔、咽頭は食物や空気の単なる通り道というだけではなく、実に巧妙な免疫機能と神経機能を備えています。

それゆえ、口腔、鼻腔、咽頭に慢性の炎症が生じると、その局所で最近が巣をつくります。そして症状があまり出なくても、そこから血液、またはリンパの流れに細菌が乗り、全身の免疫、神経機能に影響を及ぼし、結果的に口腔や咽頭とは一見、関係がなさそうな様々な体の不調や疾患を引き起こします。それが「病巣感染」なのです!

例えば歯周病があると、低体重児出生(胎児の発育不全)、関節リウマチ、虚血性心疾患、脳梗塞、骨粗鬆症、糖尿病、高齢者の誤嚥性肺炎などの疾患のリスクが高まることが知られています。

これは今から遥か昔の紀元前、医学の父といわれるヒポクラテスの時代から「体のどこかに細菌などが感染した病巣があって、それが原因で感染した場所とは違う、離れた場所に病気が起こる」という考え方がすでに存在していました。すでに「病巣感染」の思想がこのころから考えられているのです。

20世紀の初頭、近代になってにこの考え方が「病巣感染」として脚光を浴び、中でも病巣感染の原因として扁桃炎とむし歯が着目されてきました。

特に、むし歯と全身病に関して、イギリスの医師ハンターが「病気に罹った歯はそこから排泄される細菌が血液にのって、遠く離れた部位に二次的に病変(病気)を生じさせる」(口腔敗血症)という概念を1911年に英国の権威あるLancet誌に発表し、「不潔な歯科治療(歯科疾患)が全身的な病気を作る」と警鐘を鳴らしました。

特にむし歯や歯周病が原因で全身に疾患が生じることを「口腔病巣感染」と呼ばれています。

現在では掌蹠膿疱症、IgA腎症、胸肋鎖骨過形成症の3疾患が「病巣疾患」の症状とみなされており、これらの疾患の治療の一環としてわが国では積極的に実施されています。

ところで口腔病巣炎症はむし歯や歯周病のことを指しますが、それ以外にも噛み合わせの不具合や歯の欠損、あるいは歯科治療で用いた金属を原因とする口腔内の異常が全身に影響を及ぼすことが判ってきました。

特に前回ここで出した「掌蹠膿疱症」は一昔前は金属アレルギーが主因と思われてきましたが、そのような患者さんを実際審査してみると、歯の根の先に炎症(根尖病巣)があることが多いのです。

それを治療して炎症が収まると掌蹠膿疱症が治ることも多々あるようです。

 

いかがでしょうか。今回は内容がちょっと難しかったかもしれません。しかしは、口の疾患は万病の元と大昔から注目されています。少しでも早口の中の炎症が出たら、またはむし歯を放置してしまったら急いで歯医者さんに診て貰ってください。